夏生まれだからか、夏は好きだ。
だが、よく考えると秋も冬も好きなので、誕生日はあまり関係ないかもしれない。
春だけは少々苦手である。スギ花粉のせいでもあるが、花粉症になる前から、木の芽どきの生あたたかい空気は苦手だった。そういう人は多いらしく、体調を崩したり心が不安定になりがちな季節でもあるらしい。
このめどき。清新で初々しい、いい語感である。
なのに検索すると「不安」「不定愁訴」「鬱」などの日本語とともに引っかかってくるのがおもしろい。
語感といえば「はる、なつ、あき、ふゆ」という響きはすばらしいと感じる。それぞれ語源はあるのだろうが、うまいこと役割を分担した、いい二文字の言葉たちであると思う。
夏は「トマトやナスやキュウリがナッてます!」という感じがするし、冬は「ふゅ~るり~、ふゅ~るり~らら~」と、地吹雪が舞うようであり、絶対に交替は不可能である。
ものすごく寒い日に「夏将軍の到来です」などといわれてもまったく感じが出ないし、日焼けした高校球児たちの熱闘が「冬の甲子園」であってたまるものか、という思いがある。
秋も「あーーきれいだ、空や紅葉が」であるとしか思えず、ハルハルした浮かれた春も、やっぱり春としか言えない。
春のことを悪く言いすぎであろうか。いや、名前としての春子さん春江さん春男さんはすてきだと思いますけど。