山根一眞の調べもの極意伝
プロフィール

山根 一眞
ノンフィクション作家・獨協大学特任教授 1947年、東京生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒。20代からジャーナリズムの仕事を開始。先端科学技術や情報分野、アマゾン環境問題など広いテーマで「謎」を追い求めてきた。NHK総合テレビでキャスターを7年こなし、北九州博覧祭では「ものつくりメタルカラー館」の、愛・地球博では愛知県の総合プロデューサーをつとめた。2009年から母校で経済学部特任教授として環境学や宇宙・深海、生物多様性などをテーマに教鞭もとっている。3.11で壊滅した三陸漁村・大指の支援活動も続けている。主な著書に単行本と文庫本25冊を刊行した「Made in Japan」を担うエンジニアたちとの対談『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)、『環業革命』(講談社)、『小惑星探査機はやぶさの大冒険』(マガジンハウス、東映で映画化)、『小惑星探査機はやぶさ2の大挑戦』(講談社)など多数。『日経ビジネスONLINE』では「ポスト3.11日本の力」「山根一眞のよろず反射鏡」を連載中、福島第一原発の廃炉技術も追い続けている。理化学研究所相談役、日本生態系協会理事、宇宙航空研究開発機構客員、福井県文化顧問、2018年国民体育大会(福井県)式典総合プロデューサーなど。日本文藝家協会会員。
山根一眞オフィシャルサイトコラム記事一覧
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第14回 鳥と恐竜のミッシングリング(後編)
2016年4月21日 山根一眞 「調べもの」は、単に探していた資料が見つかればいい、というものではない。知りたいことについて最適の資料を手にしても、その内容を十分に理解できなければ意味がない。そこで、入手した資料を「わかりやすく整理」することは、大事な「調べもの」の技なのです。 エディターを使い予稿テキストを見やすく「整理」 その具体例として、「恐竜が鳥へと進化した道筋や研究の歩みを調べ十分に…
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第13回 鳥と恐竜のミッシングリング(前編)
2016年4月13日 山根一眞 恐竜博物館フィーバー 先回に引き続き、今回のテーマも恐竜です。 といっても、恐竜そのものを論じるのではなく、調べて入手した文字資料がわかりにくい場合に、理解しやすくするための「調べもの」の極意、「文字資料の図解化」がテーマです。 もっとも、とてもエキサイティングな恐竜の話題も楽しんでいただけると思います。 この1~2年、恐竜人気はますます大きくなっている。そ…
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第12回 発掘!「福井恐竜学」の現場
2015年9月24日 山根一眞 日本で出た恐竜化石の8割が福井県産 日本では長いこと「恐竜の化石はない」と言われてきた。 私にとっての恐竜は、子供時代に繰り返し眺めていた図鑑の中か、幼稚園時代から(父に連れられて)何度も訪ねた東京・上野の国立科学博物館の正門外に展示してあった(野ざらしの)首も尾も長い巨大恐竜、ブロントサウルスの像のイメージしかなかった(国立科学博物館からそれが撤去されたのは、…
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第11回 「恐竜王国福井」の誕生
2015年9月7日 山根一眞 世界に通用する新種恐竜がお出迎え 北陸本線の福井駅でホームに降りると、誰もがびっくりする。 ホームのベンチに、右手に分厚い本、左手には恐竜の頭骨を掲げた白衣姿の「恐竜博士」が座っているのだ。リアルなブロンズ像だが、こんなJR駅はない。 改札口をぬけて右手、西口駅前広場に出ると、今度は「がおーっ!」という声が響いてくる。 恐竜が3頭、長い首を振りながら吠えている…
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第10回 長崎のティラノサウルス
2015年8月31日 山根一眞 公開された映画『ジュラシック・ワールド』が大人気。恐竜のイベントや展示があちこちで開催される夏もそろそろ終わる。一息ついたこところで、あらためて「恐竜の調べもの」に取り組んでみた。 映画に出てくる「T-レックス」の仲間を発見! 2015年7月14日、アメリカ・NASAの探査機、ニュー・ホライズンズが冥王星に再接近(フライバイ)を果たし、見事な写真を送ってきた。人…
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第9回 幻の「東京ホテル」を探す地図の旅(後編)
2015年8月3日 山根一眞 明治の古地図が見られるサイト フィリピン独立運動の英雄で、後にスペインによって銃殺刑に処せられたホセ・リサールが、1888年(明治21年)、滞在中の日本で出会った恋人、臼井勢以子(おせいさん)と愛の日々を送った東京・日比谷の「東京ホテル」。 いったい、それはどこにあったのか? その記載がある地図はないだろうか……。 あれこれ探して、明治期の地図が数多く公開され…
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第8回 幻の「東京ホテル」を探す地図の旅(前編)
2015年7月21日 山根一眞 まだまだ続く「日比谷公園の謎」 この連載の第2回『日比谷公園の「謎」』で、日比谷公園の一角にあるフィリピンの英雄、ホセ・リサールのブロンズ像が、なぜここに建立されたのかを探った。 ブロンズ像が建てられたのは、1888年(明治21年)。ホセ・リサールが滞在した「東京ホテル」がこのすぐそばにあったからで、そこはリサールが(たぶん)一目惚れしてラブラブとなった知的で美…
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第7回 クモが夢見たインターネット網(後編)
2015年7月6日 山根一眞 生物の和名はこうして決まる 110年前のドイツの百科事典のクモの項目の図版ぺージに貼り付いていたクモの遺骸。それが、「ユカタヤマシログモ」だとわかったが、わかればわかるほど、さらに調べたくなるものです(前編参照)。 「調べもの」とは、一つの調べた成果をもとに、さらに出会った謎や疑問をどこまでも追求していく知の冒険です。それによって、さらに思いがけない発見や発想を得…
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第6回 クモが夢見たインターネット網(前編)
2015年6月17日 山根一眞 この世でもっとも強靱な糸 本連載の第4回で、愛用のドイツの百科事典『Meyers Großes Konversations-Lexikon 1905』(メーヤーズ百科事典第6版、全20巻)について、「これはまるでタイムマシンだ」と紹介したが、その第4回の最後で、 百科事典をパタンと閉じたところ、ぼろぼろの背表紙から小さなクモが飛び出してくる始末。 と書いた。 …
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第5回 ゴキブリで学ぶネット検索
2015年5月4日 山根一眞 692冊の本をいっぺんに「串刺し」!? 前回、110年前のドイツの百科事典『Meyers Großes Konversations-Lexikon 1905』(メーヤーズ百科事典第6版、全20巻)のたった1点の図と格闘を続けたことを書いたが、どうしても謎が解けず、その百科事典をパタンと閉じたとろ、ぼろぼろの背表紙から小さなクモが飛び出してきた。 「おっ、クモだ」と…
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