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日国第三版 ことはじめ
第1話 第三版はじめます!
©久木ゆづる/小学館
ついについに! 『日本国語大辞典』の第三版改訂がスタート!
日本における近代的な国語辞典の歴史は、明治時代以降、外国語や外国の文化に触れるようになった日本人が、あらためて自分たちの言葉を見つめ直そうとしてはじまったとされています。そのなかで『言海(大言海)』や『日本大辞書』などの大きい辞書が編まれました。松井簡治が編纂した『大日本国語辞典』(冨山房)もそのひとつ。大型辞典の流れは松井栄一(松井簡治の孫)が編纂を主導した『日本国語大辞典』(日国)に受け継がれ、現在にいたります。
日常よく使われる国語辞典は小型や中型かもしれませんが、日国は1972年の初版、2000年の第二版刊行を経て、今もなお日本最大の国語辞典としてたくさんの人々に活用されています。今回の第三版改訂も、辞書の歴史や、日本語研究において、大きな転換点になるはずです!
その第三版改訂は、2024年7月25日の小学館「新企画発表会」で初めて発表されました。私は、会場での大野さん、坂倉さん、金水先生による発表を、編集部の他の面々や編集委員の近藤泰弘先生とともに別の部屋から見届けました。プロモーションビデオの最後の「未来へ 私たちは辞書を 編み続けます」という言葉を見て、「ああ、ほんとうに始まるんだ」と目頭が熱くなったのをよく覚えています。また、開会の社長の挨拶でも日国についての熱い語りがあり、会社が辞書を大切にしているのだと感動しました。
この連載では、その日国の歴史や、すごいところを紹介していくつもりです。主人公“ことは”の奮闘にどうかお付き合いください。
(新人ハムス)
【次回、4月下旬公開予定!】
概要
いよいよはじまった日本最大の国語辞典『日本国語大辞典』の大改訂。30年の一度の大プロジェクトに、新人編集者の主人公(白部ことは)が抜擢。意気込みと辞書愛は十分、でも知識と経験はまだまだ? 先輩編集者の助けも借りて、この難事にいどみます! 『日本国語大辞典』の詳細もわかる半実録マンガが登場!!
プロフィール
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久木ゆづる
東京都出身。漫画家、イラストレーター。2018年よりKADOKWA COMIC BRIDGEより漢和辞典編集者をテーマにした『じしょへん』(全6巻)を刊行。児童向けジャンルでも活躍中。著書に『凛々と咲く 八重の桜』全2巻(2013年 KADOKAWA)、『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』14巻本文(2015年 KADOKAWA)『角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 チャールズ・シュルツ』(2019年 KADOKAWA)、『コミック版 世界の伝記57 ミヒャエル・エンデ』(2024年 ポプラ社)など。
ウェブサイト:https://portal.moo.jp/