共通語な方言
プロフィール
篠崎晃一(しのざきこういち)
1957年、千葉県生まれ。東京女子大学教授。 専門は方言学、社会言語学。方言調査の傍ら、各地の美味いモノ、美味い酒を供する居酒屋を探索することも楽しみとしている。『アレ何?大事典』『日本語でなまらナイト』『ウソ読みで引ける難読語辞典』『アルファベット略語便利辞典』『ことばの えじてん』(以上、小学館)等の監修の他、『例解新国語辞典』(三省堂)編修幹事。方言関連の専門書以外に、毎日新聞社との共著『出身地(イナカ)がわかる!気づかない方言』(毎日新聞社)等がある。
コラム記事一覧
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第 2回 先生、だいてくれるんですか?
とある女子大の昼休み。中庭を歩く教授に向かって「先生、一緒にランチしましょう!」と声をかける学生のグループ。「いいよ、ペーパーバンで食べようか」と応じる教授に甘えた口調で「先生、だいてくれるんですか?」とおねだりする学生。思わず「じゃ今日は特別だぞ」とにっこり微笑む教授。はたから見ればとてもとても教授と学生の尋常なやり取りとは思えない。「やれセクハラだ」「いやあうらやましい」などとやじ馬の声が飛…
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第 1回 近畿と九州の人が「なおす」というと
「ゴミなげて!」と言われて驚いたり、「これタンスになおしといて」と頼まれて戸惑ったりした経験のある人は結構いるのではないだろうか。 そもそもそのことばを発した本人にしてみれば、「ゴミ捨てて!」「タンスにしまっといて!」と言っただけなのに、 周りの思いがけないリアクションに当惑してしまうのである。ことばを発する側は全く方言とは気づかずに共通語のつもりで使っていても、 周りからすれば「それは方言だ!…
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