英語でも辞書引き!

小学生の英語と辞書引き相田眞喜子

2020年4月から、小学校で教科としての英語が本格的に始まります。私立小学校で長年英語を指導されてきた相田眞喜子先生に、小学生が英語の辞典で辞書引き学習することの意味を伺いました。

英語の音に親しみ、文字に興味を持ち始めたら、
辞書引き学習を始めるチャンスです

お子さんは英語の音を体中で吸収する優れた能力を持っています。聞いてわかるようになったことは、まねして言いたくなります。英語の音に十分に慣れ親しんでくると、自然と文字にも興味がわいてきます。自分が聞いてわかるようになったことが文字で表されていると、読んでみようとし始めます。こんな様子が見られたら、英語の辞典を使った辞書引き学習を始めるチャンスです。

お子さんが、実は自分は英単語をたくさん知っている!
ということに気づきます

小学生が外来語として既に知っている語彙は、小学校4年生の時点でスポーツ、フルーツ、楽器を含む身近な名詞、動詞や形容詞など多岐にわたり、2000語を超えていると言われています。辞書引き学習を通して、お子さんは、自分が習った単語しか知らないのではなく、実はもっとたくさんの英単語を知っているのだと気づくと思います。ふせんがどんどん増え、頑張った成果が目に見える形になることは、お子さんにとって、とてもうれしく楽しいことです。表現できることの幅も飛躍的に広がるように感じられ、英語での表現意欲が増し、学習意欲が大いに向上することでしょう。

喜んで書き写すという作業の中で
4線に文字を書くことに慣れていきます

2020年度からは新学習指導要領に基づいて「読むこと」「書くこと」の指導が全国の小学校で始まります。でも、日本語とは異なる「4線上に文字を書く」ということはお子さんにとって容易なことではありません。辞書引き学習では自分で見つけた単語を書き写すので、お子さんは喜んで取り組めます。楽しく取り組みながら、文字を書く練習ができるのです。

辞書を開くこと、読むことを楽しいと感じながら
辞書の使い方に慣れることができます

辞書引き学習では、お子さんは英単語を見て、「あ、これ知っているかも」と思い、日本語を読んで「やっぱりそうだ」と確認することでしょう。この作業の中で、お子さんは「英語の文字を読む」ことに知らず知らずのうちに慣れていきます。また、日本語を読んで確認するとき、「自分が思っていたのと違う意味もあるんだ」といった、さまざまな発見をします。その英単語のまわりの語やコラム、図や写真が目に入って思わず読んでしまうということもきっとあるでしょう。これは紙の辞書ならではのことですね。こうして辞書の使い方にも慣れ、辞書は便利なもの、身近なものと感じるようになることと思います。

このように、英語の辞書を使った辞書引き学習は、お子さんの英語学習にとても効果のある学習法だと思います。

相田眞喜子PROFILE

あいだ・まきこ 私立小学校で長年にわたり英語を指導。小学生の語彙に関する研究で論文も発表。英語で辞書引きする際のふせんに英語罫線(4線)を印刷することを考案。